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 ハイブリッドには、異種混成という意味があり、ハイブリッド・カレンダーの特徴は、太陽暦(以下新暦)と太陰太陽暦(以下旧暦)のふたつを掲載しているところです。日々の暮らしは新暦によって動いていますが、旧暦を知らないと季節の行事や用語のほんとうの意味はわからないのではないかという思いから考案しました。
 おおまかにいうと、新暦と旧暦ではほぼ1ヶ月のずれがあります。たとえば新暦2019年元日は、旧暦ではまだ前年の11月26日。旧暦の元日は新暦2019年2月5日にあたります。旧暦では桃の節句も新暦4月7日にあたるので、桃の花もほんとうに咲いています。旧暦の5月は新暦の6月頃ということを知っていれば、五月雨は梅雨のことだと容易に推測がつきます。季節の行事は旧暦のほうが自然です。
 時代小説を読むときにも旧暦は実に役立ちます。赤穂浪士の討ち入りの日、元禄15年12月14日は大雪だったとか。しかし、実は12月にはめずらしい大雪の日だったのではなく、新暦では1月(1703年1月30日)のことだったのです。東京ではこの頃の雪はよくあることですよね。どの小説も季節を置き換えて読むことで、味わいはいっそう深くなるでしょう。


 例えば2019年の9月13日はどういう日かハイブリッド・カレンダーで調べてみましょう。この日は旧暦の8月15日にあたり、節切りの八月節の始まる白露から6日目で秋分の日の10日前です。その日は仏滅、干支は癸丑(みずのとうし)、八白土星、八専間日、中潮の日ですが翌14日から大潮になります。旧暦8月15日ですから十五夜(中秋の名月)ですが、物理的な満月は翌日の旧暦16日になります。
○節切りとは立春の日を元日とする考え方。選日の多くはこの節切りの各月と干支で決められています。
○白露は二十四節気のひとつで秋分のひとつ前。本格的な秋はもう少し先ですね。狭義には9月8日の白露の日を差し、広義には9月23日の秋分の前日までの期間をいいます

○寒露も二十四節気のひとつで、もう晩秋です
○仏滅は六曜のひとつで、勝負無しの日、万事に凶の日とされています。
○きのえねは干支です。干支は十干十二支を組み合わせたもので、60の組み合わせがあり、年・月・日にあてて用います。きのえねは甲子と書きます。
○六白金星は五行の気(木・火・土・金・水)に色(白・黒・碧・緑・黄・赤・紫)を組み合わせた九つの星を、年・月・日に割り当てた九星のひとつです。性格や運勢、方位などを占うのに用います。
○中潮は潮名で、潮の動きは月の満ち欠けと関係があり、新月と満月の頃が干満の差が最も大きくなる大潮で、上弦、下弦の頃が干満の差の小さい小潮になります。この日は小潮、長潮、若潮とつづいて中潮、大潮となる中潮の最終目で、干満の差が大きくなり翌日から大潮になります。実際の大潮や小潮のピークは太陽と月の起潮力のズレなどの影響で、新月や満月の日より1日程度遅れます。本カレンダーの潮名の表示は実際の動きを想定したもので、旧暦のみによる暦の表示と少し違うことがあります。

 毎日、カレンダーから今日はどんな日か読みとるのは楽しいものです。


 旧暦では1年を4つの季節に分けています。は睦月・如月・弥生(旧暦1月〜3月)、は卯月・皐月・水無月(旧暦4月〜6月)、は文月・葉月・長月(旧暦7月〜9月)、は神無月・霜月・師走(旧暦10月〜12月)です。

 また各月の日数が一定でないのは、月の朔望(満ち欠け)の周期が約29.5日であるためで、30日の月(大の月)と29日の月(小の月)を作って調整しています。


 六曜は日の吉凶を表すものです。先勝友引先負仏滅大安赤口の順でくりかえされますが、月によって始まりが変わります。六曜は今でも生活のなかで利用されています。例えば大安は婚姻や引っ越し、旅行などすべてのことによい日とされていますが、仏滅はその逆ですべてのことに凶の日といわれています。友引の日に葬儀を避けるのは、一緒に連れていかれそう、というイメージからでしょう。先勝は午前は吉ですが、午後は凶です。先負はその逆で、午前は凶で午後は吉です。赤口は正午頃を除いて何事をするにも凶の日です。


 太陽暦(新暦)は太陽の運行をもとにして作られているのに対し、陰暦は月の運行をもとに作られています。そのため各月は新月の日(朔)を1日にして始まります。月の朔望の周期は約29.5日ですので、1年は365日ではなく354日です。年の初めは毎年11日ずつずれていくことになるので、陰暦のままでは夏に新年がくるということにもなります。
 このままでは不都合なので、二十四節気を入れ、太陽の運行も併せて基準にしたものが太陰太陽暦(旧暦)です。11日間のずれは閏月を入れることで調節し、年の初めが太陽の運行とも大きくぶれないように調整してあります。閏月は19年に7回入ります。閏月の入った季節(春・夏・秋・冬)は長くなることになります。2017年は5月に閏月が入り、1年が13ヶ月になります。



 月は毎日姿を変えていきます。月の満ち欠けは太陽との位置関係で決まります。月が太陽と同じ方向にあり、地球からは暗い半面しか見えないときが新月です。反対に月が太陽の光を全面に受けているときが満月になります。その中間が上弦・下弦です。
 旧暦(陰暦)では1日はいつも新月で、新月のときは月は見えません。三日月は新月から3日目の月のことであり、十三夜は13日目の月をさします。
 つまり陰暦の3日には常に三日月が見え、8日や9日には上弦、15日や16日には満月が見えることになります。
 1月の夜空を見上げて三日月が出ていたら、その日は師走の3日ということがわかります。江戸時代の人は暦をみなくても月さえ見れば何日かわかったのでしょう。
 このカレンダーでは新月・三日月・上弦・十三夜・満月・二十夜・二十六夜を黄色い月で載せています。
 今日は旧暦では何日でしょうか。月を見て推測してみてください


 暦はもともと中国で作られていたものが朝鮮を経由して日本に伝わりました。日本書紀によれば欽明14年(553年)に百済から暦博士を招き、推古12年(604年)に日本で初めての暦ができたという記載があります。平安時代に制定された宣明暦が800年間使われていましたが、江戸時代に貞享、宝暦、寛政の改暦を経て天保時代に作られた天保暦が明治にいたるまで使われてきました。今、旧暦とよんでいるのはこの天保暦をさします。これは太陰太陽暦です。明治5年(1872年)に旧暦は新暦(太陽暦)に改暦されましたが、この旧暦に根ざした行事や季節感は今も日常生活の中に生きています。


 太陽の運行を基準にした季節区分法。地球が太陽を一周する360度を24等分し、季節を示したものです。春分点を基点にし、東回りに15度間隔の等分点が、それぞれの節気にあたります。
 立春雨水啓蟄春分清明穀雨立夏小満芒種夏至小暑大暑立秋処暑白露秋分寒露霜降立冬小雪大雪冬至小寒大寒

 それぞれの説明は当ハイブリッド・カレンダーに記載されています。


 日の吉凶をこれで見て、よりよい日を選びます。
 八専(はっせん)は婚礼や神仏事は凶ですが、建築関係は大吉とされる日です。十方暮れ(じっぽうぐれ)は新規事始めや婚礼は凶。天一天上(てんいちてんじょう)は基本はよい日ですが、家の造作はやめたほうがよいとされています。一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)は一粒のタネをまけば一万倍に増えるという縁起のよい日です。ただし借金には気をつけてください。一万倍に増えてしまいます。不成就日(ふじょうじゅび)は文字通り、大事なことは見合わせたほうがよい日です。三隣亡(さんりんぼう)は、この日に建前などをすると火災で近隣に迷惑をかけるというので、建築界などでは忌み日とされています。しかし江戸時代には三輪宝と書き吉日だったといいます。天赦日(てんしゃび)は天の恩恵によりなにごとも起きないという安心のできるとてもいい日です。三伏(さんぷく)は一年で最も暑い時期なので、種まきや和合事などには向かないでしょう。犯土(つち)は土を犯すことは凶という日なので、穴を掘ったり、盛り土をしたりは、しない方がよいとされる日。前半を大犯土(おおつち)、後半を小犯土(こつち)といいます。






 世界のほとんどの国は太陽暦(グレゴリオ暦)を採用していますが、カレンダーの種類としてはイスラム暦(陰暦)、ユダヤ暦(陰暦、閏月がある)、チベット暦(太陽太陰暦)、マヤ暦(太陽暦)などいろいろなものがあります。しかし世界最古のカレンダーといえばバビロニアのカレンダーでしょう。
 バビロニアはメソポタミアの南部で北部はアッシリアといいます。バビロニアの北部はアッカド、南はシュメールです。
 バビロニアにはBC2500年以前からすでに陰暦カレンダーがありました。一般の人にはカレンダーがどんな意味をもっていたかは分かりませんが、少なくとも神様への行事の日を確定するのと、金貸し業では金利と返済日をはっきりさせるためには必要だったのです。農民はカレンダーを見て農作業の日をきめるのではなく、大気の状態や自然、星空の様子をみて農作業の予定をきめていました。12ヶ月の名前は農作業や神の祭りの名前が典型的なものです。
 場所によっていろいろあったバージョンはBC1500年に統一されました。


 バビロニアでは歴史的に南部の人は春分を元旦とし、北部のアッカドの人は秋分を元旦としていたため、統一カレンダーでは元旦が2つあることになりました。ギルガメシュ叙事詩では、これに説明をつけています。ギルガメシュがスギの木をとるために長い旅に出て、帰るのに1年以上かかり、そのために新年のお祝いをしなかったので、以後、年に2回お祝いをすることになったというものです。
 その影響のせいか、ユダヤ暦では秋分のころを元日にしているほか、英国の国会は秋に始まります。欧米で秋に新学期を迎えるのも関係があるかもしれません。企業の会計年度や法曹カレンダーは4月からスタートするのも同じような理由かもしれません。


 バビロニアのカレンダーは陰暦なのですが、エクストラの月(閏月)をおいて調整しています。閏月をどこにおくかは学者が協議をしてきめたそうです。基本的には天体観測をして星があるべきところにない場合に閏月が作られました。
 バビロニアにはオルマナックという日ごとのコメント付きのカレンダーがありました。コメントはもっと古くからもあったのですが、確立したのはBC1500年くらいです。
 ラッキーデー、アンラッキーデーなどのほか、禁止、サジェスチョン、売買、訴訟に関するものなど内容はさまざまです。ラッキーデーには家を建てるし、鳥を放すと神のいかりがなくなる日(厄払い日)には市場で食用の鳥を買って放したそうです。魚を食べてはいけない日、一度通った道はもう一度通ってはいけない日などというのもあります。
 なんだか、似てると思いませんか。日本の六曜や選日にそっくりですね。